姫路城の花見醍醐の桜

2010年04月05日

室津 小五月祭 棹の歌

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この1月に棹の歌に興味を持って以来、播州室津の「小五月祭り」の祭礼を初めて体験した。 長い間気になっていた棹の歌だが初めて聞かせてもらった。

平安後期遊女「室君」が室明神に「棹の歌」を奉納したのが始まりで、そのご室津の娘さんが室君に扮して「棹の歌」を賀茂神社に奉納する格調高いお祭りである。 

さすがに遊女発祥の地、女性のお祭りで小さな女の子もきれいな衣装を着ている。 桜満開の境内で、少女達が静かに「棹の歌」を歌う様は、これがお祭りかと思わせるほど物静かで優雅な「棹の歌」であった。



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棹の歌
「たち縫わん たち縫わん 衣きし人も なきものを
 何山姫の布さらすらん」
 
「佐保のあらし 長閑にて 日陰も匂う天地の開けしも
 さしおろす 棹のしたたりなるとかや、、、、」 

出だしの一行、たち縫わんの歌詞は古今和歌集の伊勢大輔の歌。 古今和歌集には大輔が龍門の滝で詠んだとした添え書きが書かれている。棹の歌は平安時代の不老長寿を願う久米の仙人を歌った和歌から生まれている。

吉野の龍門には、その昔久米の仙人が住んでいたと言い伝えがあり、滝の瀑布と仙人の無縫の衣が重なり、女の山ノ神と男の仙人、これも重なっている。歌は続いて謡曲の「室君」に変るのだが、室町時代に入ってから謡曲「室君」が生まれたことになる。

たち縫わん・・・ 無縫の衣(瀑布)を着る仙人は、もう龍門の滝に住んでいないのに、山の神はどうしてそのように今も布(滝)を晒しているのだろうか。

佐保のあらし・・・・ 長閑な春が来たよ!奈良市の真ん中を流れる小さな佐保川がある。この佐保川の北には佐保部落があり、ここに東風が吹けば奈良の都に春を告げるのである。 

春がやってきたよ〜、天と地はこの棹のしずくで出来たとさぁ、さぁ〜みんなで、棹の歌を歌って占いましょうと、遊女船が船の上で不老長寿や豊年を占い遊ぶ歌になっている。

神社に奉納したあと、棹の歌を歌いながら、お旅所まで町を歩くのであるが、祭りを見る人よりも、カメラ愛好者の方が多くて、このような祭りは初めてである。

marbleR3さんのyou tubeです。


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naturococo at 14:24│Comments(8)

この記事へのコメント

1. Posted by じゅんちゃん   2010年04月06日 09:53
haruka1さん、スーランさん おはようございまーす。

haruka1さん、ほんとうにどの場面も被写体にもってこいの、きれいなお祭りですねえ

こんなお祭りを体験した女の子たちは、生涯ココロに残るでしょうねえ。すてきでーす。



2. Posted by haruka1   2010年04月06日 20:15
じゅんちゃんさん

私もこのようなきれいな女性中心のお祭りは始めてでした。

少女も、幼児も晴れ着をきると表情が2倍も3倍も明るくなります。

晴れ着を着る女性はみんな美しいです。今日は、京都の醍醐と疎水へ行ってきました。地下鉄で結ばれて便利になっていました。 
クランクインの枕木のじゅんちゃんさんの足跡を踏みながら歩いた感じ、平日でも、結構賑わってました。 花見もこれで終わりです。もう、満足まんぞく。




3. Posted by スーラン   2010年04月06日 23:32

haruka1さん、じゅんちゃん、今晩は〜

とても雅で歴史を感じる祭りですね
私も確か小一の時地元で後にも先にもない神事の行事なんでしょうか?写真にあるような頭に乗せる飾りを着け着物は雅な金糸が入ったようなそれまで見たことのない袴っぽいものを着て町中を練り歩いたのを思いだしました。

今でもたまになんの行事なんだったのか不思議でいます
あっ、顔は額に黒い点(麿みたいに)が二つ、口は真ん中におちょぼ口に見えるように紅をつけてましたね。
4. Posted by haruka1   2010年04月07日 00:49
スーランさん

子供のころは、お祭にはお正月と同じで子供も女の子は着物を着ていました。 

見に行く人も、きれいな着物が着られるのは、女性だけでした。

ちいさな子供にきれいな着物を着せるのは、その名残なのでしょうか。

ここは、夏に男の祭りがあるそうです。またまた京都の花見に行ってきました。
醍醐と疎水ですが、別々にアップする予定です。 
明日孫の世話があるので、疎水はそのあとです。遊びつかれが出そうです。笑。

5. Posted by スーラン   2010年04月07日 22:06

haruka1さん、今晩は〜♪

幼友達に聞きましたら地元の神社主催のお稚児さんだそうです。小学校で衣裳が用意してあって私の地区の七才から八才の女子が選ばれたようです。 私の地元ではもうその行事は行いませんが各地で開かれてるそうです。
6. Posted by haruka1   2010年04月07日 22:24
スーランさん

こんばんは。 お稚児さんはよく見かけます。
そういえば、中学生の衣装はお稚児さんみたいです。(裃は高校生)

孫の女の子は素直に衣装を着て喜んでました、ところが男の子はいやがり、逃げて大変でした。

7. Posted by 幸喜   2012年11月19日 10:16
はじめまして。
お箏弾きの富川幸喜と申します。
ただいま、社中で
鳥追神楽の三絃打ち合わせの稽古にはげんでおりますが、
その神楽の歌詞をたどりつつ
ここへ誘われました。
また点と点が線につながったように感じます。ありがとうございます。

邦楽についてコラムを作っています。
その中にまた鳥追神楽について、入稿する予定ですが、
ここのURLをご紹介してよろしいでしょうか?
より詳しく、邦楽に親しむ方たちに御紹介したいと思いました。
http://thematsuriya.blogspot.jp/
8. Posted by haruka1   2012年11月19日 10:47
お箏弾きの富川幸喜さん
はじめまして、いいお仕事されているんですね。ブログ拝見させて頂きました。 昔、母や姉妹がやっていましたから、家の中が賑やかだったのを思い出します。
もちろんです、ご自由にお使い下さい。そのようなところで紹介頂けるのはとっても光栄です。 

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