もみじ葉は袖にこき入れて晩秋に咲く芙蓉 山川登美子

2018年11月26日

紫式部より教えられしこと

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 11月23日姫路好古園 紫式部


紫式部は人間の身と心の問題を、今の世の人々にも教えてくれているが、それが人生の無常について問うているかのように聞こえてくる。

  心だに いかなる身にか かなふらむ 思ひ知れども 思ひ知られず     紫式部

どのような身の上であれば自分の心は満足するのであろうか。満足することはないと分かりながらも、心底諦めることが出来ないのが人の心である。この気持ちが源氏物語を生んだようだ。

  おほかたの 秋のあはれを 思ひやれ 月に心は あくがれぬとも    紫式部

世間でいう、秋の悲しみを思ってみて欲しい。秋は男から忘れ去られる程に寂しいものである。
秋が(飽きが)来て美しい月(他の女)に、男の心があくがれ(憧れ奪われ)ていなくても、秋とはほんとうに寂しいものである。

   世の中を なにか嘆かまし 山桜 花見るほどの 心なりせば      紫式部

この世の中をどうして嘆こうものか、山桜の花を見るときのような、物思いのない心さえ持っていれば、いらぬことはみんな忘れられる。

 
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紫式部は結婚して一女を授かりまもなく夫を亡くし、中宮彰子に仕え女房の仕事をしながら、歌人・作家として源氏物語、紫式部日記などの作品を残している。

機知や閃きのようなものはなく、漢学の素養をいっぱいに積み学識があり、素直な心で憂いを含めた豊かな文学作品である。

姫路城の好古園はいま紅葉のまっ盛り、この三連休は天気もよく観光施設はどこも満杯のよう。見物する人達のモミジ狩り風景は、源氏絵巻のようにあでやかであった。

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きょうの音楽


シューベルト ピアノ三重奏曲第2番第2楽章

ピアノが先を歩み、チェロが哀愁のある主題を奏でながらヴァイオリンが入る。三っの楽器が美しく共演する人気の第2楽章。主題はスウェーデンの民謡「太陽は沈み」からという。


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naturococo at 00:07│Comments(4)

この記事へのコメント

1. Posted by じゅんちゃん   2018年11月26日 06:05
haruka1さん、おはようございます。

我が家の紫式部は、日陰にあるせいか、もう勢いが衰えていますが、好古園のはまだ美しいですね。

いずれのお写真もとても心惹かれます。

千年も昔の恋物語が今なお読み継がれるなんて、超絶ベストセラーですよね。

シューベルトのピアノ三重奏、この季節に似合いますね。

2. Posted by じゅんちゃん   2018年11月26日 06:05
haruka1さん、おはようございます。

我が家の紫式部は、日陰にあるせいか、もう勢いが衰えていますが、好古園のはまだ美しいですね。

いずれのお写真もとても心惹かれます。

千年も昔の恋物語が今なお読み継がれるなんて、超絶ベストセラーですよね。

シューベルトのピアノ三重奏、この季節に似合いますね。

3. Posted by じゅんちゃん   2018年11月26日 06:08
どういうわけか、同じものが二つアップされてしまったようです。(:_;)
4. Posted by haruka1   2018年11月26日 08:30
じゅんちゃんさん、おはようございます。続けてのコメありがとうございます。

じゅんちゃんさんのお庭に紫式部が生えているなんて、凄いです。大きくなると結構場所を撮るので大きな庭なんですね。

写真のお褒めありがとうございます。この前の最上山の紅葉とはまた違った庭園の紅葉です。好古園は紅葉の為に作られたような多くのモミジがあります。

コメントは二つ同じ時間表示になっています。このような、ダブル表示の異常は初めてですね。消すことも出来るのですが、このようなこともあるとの教えにもなるし、貴重な事例なので、そのままにさせて下さい。

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