春と恋人 中原中也淡路夢舞台・桜祭りの花々

2019年04月15日

散りゆく桜

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 (4月15日 姫路城 西の丸)


<青空に白波が立つ>
  さくら花 ちりぬる風の 名残りには 水なき空に 浪ぞたちける (古今集 紀貫之 )

散り際の桜に、風が花びらを散らしながら吹き抜け、花びらは高く青空に舞い、空には白波が立っている。人は満開の桜に魅了され、散り行く桜に感動する。受粉で花弁を切り離した桜の老化現象、一斉に散る桜のいさぎよさは格別である。

<心騒ぐこの世の花>
  世の中に たえてさくらの なかりせば 春の心は のどけからまし(古今集 在原業平)

この世の中に桜の花がなかったら、春はもっと長閑な季節であっであろう。それなのに人は桜が咲くのを待ち焦がれたり、散るのが気になりどうにも落ち着かない。日本人の桜への愛着心は確かなもとなってゆく。

<桜は散っても春の形見>
  桜いろに 衣はふかくそめてきむ 花のちりなむ のちのかたみに (古今集 紀の有朋)

着物を濃いさくら色に染めて着てみよう。やがて桜の花が散ってしまっても、その後の思い出になるように。着物染めて桜の色を記憶にとどめるとは、桜に対する愛着がすご過ぎである。

<心替りを悟られないように>
  花見れば 心さへにぞ うつりける 色にはいでじ 人もこそしれ (古今集 大河内躬恒)

すでに色あせて散りかかった桜の花を見ていると、私の心までもが変わってしまった。だが、それを顔色に出してはならない。自分の移り気が人に知られてしまう。花は、桜と女性のこと。

<霞が染まり空までが桜色>
  花の色に あまぎる霞立ちまよひ 空さへ匂ふ 山桜かな  (新古今集 藤原長家)

花の色を映した霞が空まで立ち上り、桜色になって匂いながら山桜が咲いている。山に桜色の霞がかかり、そこはには無限の風景が織りなしている。

中国では梨の白い花が純愛の美しさとされており、楊貴妃の悲しく涙を流す姿を、春の雨に濡れる梨の花に例えている。「玉容寂寞涙闌干、梨花一枝春帶雨」

平安以来「花」と言えば桜となり、梅は実を育てる花となって一歩退いた。和歌の世界では咲く桜よりも、「桜散る」の賛美の方が半分以上を占め、日本人の桜散るの美意識は、世界に類のないものである。

 4月15日 散り始め
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きょうの音楽

荒城の月 鮫島有美子


you tubeの中から一番の推奨 ⇒ https://youtu.be/SbLuhlq-qik 
荒城の月は合唱付き独唱がいいのですが、残念ながら転用貼り付けが出来ません。クリックしてお聴き下さるとうれしいです。
独唱 小林一男 (合唱)都立 八潮高校合唱部 (演奏)東京フィルハーモニー交響楽団
1983/1 放送。

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naturococo at 15:10│Comments(2)

この記事へのコメント

1. Posted by じゅんちゃん   2019年04月18日 12:00
haruka1さん、こんにちは。

桜のお写真、見事ですね。

桜は、やはり特別で、満開の花の下を歩かないではいられない心持になります。今年も哲学の道を歩いて、堪能しました。

比叡山頂は、今週末あたりが見ごろでしょうか。花が山を咲きのぼるのがいいですよね。(^^♪

「荒城の月」。明治といえば、今の子供たちにとっては、我々にとっての江戸時代くらいの感覚でしょうか。 

古典の名曲ですよね。おっしゃるように、合唱付き独唱がいいですね。

ところで、Tiger is back!ですね。
アメリカの友人が、「タイガー・ウッズとイチローには本当にワクワクさせられる」と言っていたのを思い出しますが、ウッズの復活はとてもとても嬉しいです!!
2. Posted by haruka1   2019年04月18日 15:52
じゅんちゃんさん、こんにちは。
きょうは陽気が戻り並木の桜が風が吹くたびにまいあがっています。

哲学の道も長く歩いてはいませんが人気のある桜道ですね。1週遅れの比叡山の桜が見られるとは羨ましいです。姫路城は3分咲き、9分咲き、散り始めと今年は計3回も行ってきました。いい運動になります。

荒城の月は合唱付き独唱がとってもよく似合うのですよね。同じスタイルで中学時代にコンクールで歌ったことがあるので懐かしいです。

タイガーウッズが世に出た時、丁度ロスへ行った時で、毎週土日はゴルフTVを見て英語に慣れる訓練をしていました。厳しい世界、まさか、復活するとは流石英雄です。

いまのイチロー、アメリカで学んだ部分が、かなりあるように思います。姫路植物園で温室育ちのアジサイ展があったので昨日行ってきました。

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