淡路夢舞台・桜祭りの花々深夜の思い 中原中也

2019年04月25日

ディートリッヒ 中原中也

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マルレネ・ディートリッヒ   中原中也
 
なあに、小児病者の言うことですよ、
そんなに美しいあなたさえ
あんな言葉を気にするなんて、
なんとも困ったものですね。
 
合言葉、二週間も口端(くちは)にのぼれば、
やがて消えゆく合言葉、
精神の貧困の隠されている
馬鹿者のグループでの合言葉。
 
それがあなたの美しさにまで何なのでしょう!
その脚は、形よいうちにもけものをおもわせ、
あなたの祖先はセミチック、
亜米利加(アメリカ)古曲に聴入る風姿(ふぜい)、
 
ああ、そのように美しいあなたさえ
あんな言葉に気をとられるなんて、
浮世の苦労をなされるなんて、
私にはつまんない、なにもかもつまんない。

ディートリッヒ主演映画が日本で上映されたのは昭和6年2月「モロッコ」、次いで5月「嘆きの天使」である。中也はこれらの映画を見て、人気女優ディートリッヒから個性的で退廃的ともいえる強烈なイメージを得た。

ドイツ映画界の人気女優ディートリッヒはヒットラーを嫌ってアメリカへ渡航。映画女優、歌手としてブロードウェイの舞台に立ちアメリカの市民権を得て、ヒットラーからの帰国要請にも応じていない。

戦場の兵士が故郷の恋人への思いを歌ったドイツ軍歌リリー・マルレンを英語で歌い、連合軍側の慰問活動をする。このような反ドイツの立場をとったディ−トリヒは、ドイツ国民から厳しい攻撃を受けた。

はじめはドイツ軍で流行し、次第に連合軍側でも英語で歌われ大ヒット。大戦中、敵味方が同じ歌を歌い、リリー・マルレーンは若者達のロマン心を捉えて、かってない国籍のない軍歌となった。

兵舎の大きな門の前に
街灯が立っていたね
今もあるのなら
そこでまた会おう
街灯のそば 僕らは一つ
リリー・マルレーン

二人の影が重なり
一つに溶けていく
愛しあっていた僕ら
ひと目で分かるほどに
街灯のそば 僕らは一つ
リリー・マルレーン

もう門限の時間がやってきた
「ラッバが鳴っているぞ、遅れたら営倉3日だ」
「わかりました、すぐ行きます」
だから俺たちお別れを言った
君と一緒にいるべきだったのか
リリー・マルレーン、、、 (5番まで続く)

Marlene Dietrich - Lili Marleen ドイツ語版


詩の中に「あなたの祖先はセミチック」とあるが、セミチックはセム族のことを指す。セム族はユダヤ、ヘブライ、アラブなどの人びとを意味するが、その出所はディートリッヒからは見えてこない。

昭和6年10月、新宿の映画館「武蔵野館」が、グレタ・ガルボに似た女性を公募した時に一等に選ばれたのが長谷川泰子であった。グレタ・ガルボはマルレネ・ディートリッヒと並ぶ世界を沸かせていた人気女優、中也はそのような泰子をディートリッヒに重ねたと思われる。

パリ・ノートルダムの火災

題名は悲惨であるが火災前の美しいノートルダムが次々と見える。ノートルダム炎上ニュースは驚きであったが、やがて修復して多くの人々の感動を集めるに違いない。

Fire at Notre Dame de Paris
  
IMG_7357IMG_7316               



naturococo at 00:08│Comments(2)

この記事へのコメント

1. Posted by じゅんちゃん   2019年04月27日 10:52
haruka1さん、おはようございます。

10連休の初日、ちょっと肌寒いですね!

お写真、すてきです。(^^♪

中也は生涯、泰子から完全に遠ざかることはできなかったようですね。

「リリー・マルレーン」のメロディは昔風なのに、古びていないですよね。

ディートリッヒの写真、やはり魅力的ですね。こんな挑発的で退廃的な風情が泰子にも具わっていたら、泰子ももっと生きやすかったのでしょうか。

ノートルダム寺院の火災は衝撃でした。何度訪れたかわからないほど好きで、昨年の10月に見たのが最後となりました。ほんとうに素晴らしい形での復活を祈っています。
2. Posted by haruka1   2019年04月27日 12:50
じゅんちゃんさん、こんにちは。

いよいよ今日から歴史に残る平成と令和をまたぐ10連休。きょうは肌寒く東北では雪が降るとか。写真のお褒めありがとうございます。姫路植物園のは入り口にある花壇に咲いていました。

ディートリッヒについて、いろいろ調べてみましたが本音が掴めないところが、さすがに大女優だと思いました。残念ながら泰子はそこまでもです。

それでも、その康子に振り回された男性が一杯いるのも確かで、人の世界を楽しくも、哀しくもさせてくれています。この続きのような中也の作品を次回も計画しています。

そうそう、ノートルダムの火災は目に焼き付きました。屋根以外で、可成りのものがまだ残されているので再現されたときの再会がまた待たれると思います。

じゅんちゃんさんは、数えきれないほと行かれたとか、やはりそうなんですね。you tubeの画像を見ていると、季節や見る時間でみんな美しさが違うようです。いつもお仕事の合間には、ノートルダムなんですね。きょうもコメントありがとうございます。

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