「夏と私」 中原中也夕立の雲もとまらぬ 式子内親王

2019年08月22日

わが恋は、しる人もなし 式子内親王

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    わが恋は しる人もなし せく床の
            涙もらすな  つげのを枕  式子内親王 新古今集

私の恋心は、相手には知れない忍ぶ恋心です。その恋を守ろうとして、床の涙が漏れないように黄楊(つげ)の枕で堰止めているのです。お前の知ってしまった私の恋を、どうか人には告げないで欲しい。黄楊の枕よ。

黄楊=告げ、「涙もらすな」を「人にもらすな」に掛けている。つげで作った木枕は霊力が強いとされていた。式子内親王は後白河帝の第3女皇女であり賀茂の齋院も務め、男と交わることが出来ない身分でありながらも、一人想いの空しい恋に明け暮れる。

時の変化は激しく、平安から鎌倉へと流れが変わる平安末期。式子内親王30才の頃に家打倒の令旨による治承・寿永の乱(1180年)が始まった。貴族社会の後退、武士の台頭で都は混乱していった。

そういった中で、芸術至上傾向はそのまま継続され、平安時代末期の和歌は一つの高みに導かれた。その成果として優れた二つの勅撰和歌集の千載集(1180年)、新古今和歌集(1205年)が編纂された。

きょうの音楽

モーツアルト ピアノソナタ11番 イ長調331

ピアノ ダニエル・バレンボイム

モーツアルト27才、ザルツブルグで作曲。第一楽章には心地よい、たゆとうとしたシチリアーナの主題があり、第三楽章にはトルコ行進曲まである優れた曲。
Mozart Piano Sonata No 11 A major K 331, Daniel Barenboim

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naturococo at 00:05│Comments(2)

この記事へのコメント

1. Posted by じゅんちゃん   2019年08月24日 12:44
haruka1さん、こんにちは。

大雨のあとだからでしょうか、今日は凌ぎやすいです。

大胆な恋歌が許されたのは、ひっそりと知られることなく読まれるという前提があったからでしょうか、それとも純粋に芸術として受け止められたからでしょうか。いつも不思議な気がしています。

いずれにしても、まさか後代に、自らの歌がこれほど多くの人の目に触れるとは思ってもみなかったことでしょう。そう考えるとちょっと楽しくなります。(^^♪

トルコ行進曲に出会ったのは、ほんとうに小さなころでした。すぐに魅了されたのを思い出します。
モーツァルトと結びついたのは、もっと後でした。
2. Posted by haruka1   2019年08月24日 14:36
じゅんちゃんさん、こんにちは。
今朝から実にいい雨が降りました。草花には大喜びだったに違いないでしょう。
「大胆な恋歌が許されたのは、ひっそりと知られることなく読まれるという前提、、」仰る通りだと思います。

式子は藤原俊成に師事していたことで、その子定家とも歌の世界で交わり、歌が何よりも最優先で歌の道一筋、歌仲間内で、恋歌の手本を披露していたような気がします。

トルコ行進曲、懐かしいです。突如、ピアノソナタに組み込むなんて、モーツアルトらしいです。

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